塩化ビニル(塩ビ、PVC)とは? 軟質塩ビの特徴、用途と加工方法
塩化ビニル(塩ビ、PVC)は建築材料、自動車部品、医療機器、包装材料など、さまざまな分野で幅広く利用されています。弊社ではシート状の軟質の塩ビや硬質塩ビを使用し加工製造しております。 塩ビの特徴、用途と加工方法を解説いたします。
目次[非表示]
- 1.塩化ビニルとは
- 2.軟質塩ビと硬質塩ビの違い
- 3.軟質塩ビの特徴
- 4.塩ビの出来上がり方法
- 5.弊社での軟質塩ビを使用した製造実績
- 6.まとめ
塩化ビニルとは
塩化ビニルは、主に塩化ナトリウム(食塩)と石油製品から製造されます。
具体的な製造プロセスでは、塩化ナトリウムと石油製品からクロロアルカンを合成し、さらにクロロアルカンを塩素ガスと反応させることで塩化ビニルモノマーが得られます。
この塩化ビニルモノマーは、加熱や高圧下で重合反応を起こし、長鎖のポリマーであるポリ塩化ビニル(PVC)を形成します。
PVCは、幅広い用途で利用される重要な合成樹脂の一つであり、建築材料やパイプ、包装材料などの製造に広く使用されています。
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軟質塩ビと硬質塩ビの違い
・物理的特性の違い
軟質塩ビ: 軟質塩ビは柔らかく、しなやかな性質を持ちます。これは、塩ビ中の塩化ビニルモノマーの一部がビニルクロリドなどの軟化剤で置き換えられているためです。 軟質塩ビは、手で曲げたり伸ばしたりすることができ、柔軟なシート状やフィルム状に加工されます。弊社ではシート状のものを加工します。
硬質塩ビ: 硬質塩ビは剛直で、堅い性質を持っています。これは、塩化ビニルモノマーが多量に重合してできたもので、軟化剤が添加されていないためです。 硬質塩ビは、一般にパイプ、窓枠、建材、パッケージ材料などのように、強度が求められる用途に使用されます。
・科学的特性の違い
軟質塩ビ: 軟質塩ビは、柔らかさを保つために軟化剤を含んでいるため、耐久性や耐候性に劣ることがあります。 また、軟質塩ビは熱や光に対して敏感であり、変形しやすい傾向があります。
硬質塩ビ: 硬質塩ビは、軟質塩ビよりも耐久性に優れ、耐熱性や耐候性が高いです。 さらに、硬質塩ビは化学的に安定しており、多くの溶剤や薬品に対して耐性があります。
・用途の違い
軟質塩ビ: 軟質塩ビは、柔軟性や可塑性が求められる用途に適しています。例えば、フィルム、シート、衣料品、おもちゃ、電線被覆などに使用されます。
硬質塩ビ: 硬質塩ビは、強度や耐久性が必要な構造材料や建築材料として使用されます。例えば、パイプ、窓枠、ドア、床材、壁材などに利用されます。
軟質塩ビの特徴
・柔軟性と可塑性
軟質塩ビは非常に柔軟であり、様々な形状に成形することが可能です。この柔軟性と可塑性により、軟質塩ビは曲げや伸縮に耐えることができます。そのため、フレキシブルな製品や素材の製造に適しています。
・衝撃性
軟質塩ビは一般的に耐衝撃性に優れています。これは、その柔軟性が衝撃を吸収し、破損や変形を防ぐことに貢献しています。この特性は、製品が使用中に損傷を受ける可能性がある場合に重要です。
・対候性
軟質塩ビは一般的に耐候性が高く、屋外での使用に適しています。太陽光や湿気などの外部環境の影響に対して耐久性があり、長期間の使用に耐えることができます。
・低コスト
軟質塩ビは低コストで製造されるため、製品の製造コストを抑えることができます。この特性は、大量生産される製品や安価な消費財の製造に適しています。
・加工性
軟質塩ビは加工しやすく、熱成形や押出成形、カレンダー成形などの加工方法で容易に成形することができます。この特性は、様々な製品の製造において重要です。
・科学的安定性
軟質塩ビは一般的に化学的に安定しており、酸やアルカリに対して耐性があります。このため、軟質塩ビ製品は多くの化学物質と互換性があります。
・リサイクル性
軟質塩ビはリサイクル可能です。
塩ビのリサイクルは、廃棄物の削減や資源の再利用に貢献します。リサイクルによって新しい塩ビ製品を製造することで、原料の需要を減らし、廃棄物の処分量を削減することができます。
塩ビの出来上がり方法
・射出成型
軟質塩ビを粉末またはペレットの形で射出成形機に供給し、加熱して溶融させます。 溶融した塩ビを金型に射出し、冷却して硬化させます。 この方法は、複雑な形状や高精度の部品を作るのに適しています。
・押出成形
軟質塩ビを加熱して溶融し、スクリューによって押し出されます。 その後、特定の形状のダイ(金型)を通過し、冷却して硬化させます。 この方法は、長い管やプロファイルなどの連続的な形状を作るのに適しています。
・カレンダリング
軟質塩ビを加熱して溶融し、一連のカレンダーロール(金属の円筒)の間を通すことで、フィルムやシート状に形成します。 カレンダリングは、薄いフィルムやシートを製造するのに適しています。
・真空成形
軟質塩ビのシートを加熱して柔軟にし、その後、金型の上に置き、真空ポンプで空気を抜いて金型にフィットさせます。 冷却して硬化させ、所望の形状を得ます。 この方法は、プラスチック製品の包装やカスタムトレイなどの製造に広く使用されます。
弊社での軟質塩ビを使用した製造実績
・証書ファイル
・手帳カバー
・おくすり手帳カバー
・ホック付きケース
・チャック付きケース
・マグネット付きケース
まとめ
塩ビは、その優れた特性と多様な用途から、現代社会において重要な材料の一つとして広く利用されています。
弊社ではカレンダーロールで生成した塩ビ生地を使用しウエルダー加工技術により、商品を生み出し世の中のお役に立てております。
これからも安全性と品質保証に重点を置きながら、塩ビ商品のさらなる発展に貢献していきます。
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