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シルク印刷とオフセット印刷の違いとは?メリット・デメリットを徹底比較


プラスチック製品に対して印刷を施す場合、代表的な方法としてシルク印刷とオフセット印刷が挙げられます。

シルク印刷とオフセット印刷は、印刷工程だけではなく、再現が得意な色や生産コストなども異なります。

この記事では、自社製品の品質向上とコスト最適化を望んでいる企業の担当者に向けて、シルク印刷とオフセット印刷の違いやメリット・デメリットを紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.シルク印刷とオフセット印刷とは
  2. 2.シルク印刷の特徴
    1. 2.1.印刷の工程
    2. 2.2.メリット
    3. 2.3.デメリット
  3. 3.オフセット印刷の特徴
    1. 3.1.印刷の工程
    2. 3.2.メリット
    3. 3.3.デメリット
  4. 4.シルク印刷とオフセット印刷の違い
  5. 5.まとめ


シルク印刷とオフセット印刷とは

シルク印刷(シルクスクリーン)は、穴が空いた版に対してスキージ(ヘラ)でインクを伸ばし入れる平面印刷方法です。

耐久性が高く、特殊な色やメタリックカラーを鮮やかに表現できるため、看板や特色を活かしたロゴなどによく利用されます。

オフセット印刷は、版に直接インクを塗って印刷する現在最もポピュラーな平面印刷手法です。細かいディテールや滑らかなカラーグラデーションを含む高品質な印刷物を生産できます。

シルク印刷とオフセット印刷は、ディテール表現の細かさや色の再現性に違いがあるため、印刷物の用途やデザイン要件に応じて選択することが重要です。


シルク印刷の特徴

ここでは、シルク印刷の工程やメリット・デメリットについて詳しく紹介します。

印刷の工程

シルク印刷は、一般的に以下のような工程で行われます。

  1. 印刷したい文字やログなどのデザイン原稿を作成する
  2. 原稿をもとにスクリーン製の作用データ(製版)を作成する
  3. 印刷に用いるインクの色を調合する
  4. 印刷する箇所にスクリーンをセットする
  5. スキージを使い、版に押し込むように印刷する
  6. 色の種類ごとに印刷を繰り返す
  7. 焼付窯でインクを乾燥させて製品に定着させる

デザイン原稿に関しては、PCのモニターによって色の見え方が異なるため注意しなければなりません。そのため、色のサンプル品を事前にデータで提出したり、PANTONEカラーを指定することをおすすめします。

印刷に用いるスクリーンは、色の種類に応じて異なるものを使います。そのため、インクの色が多いほど枚数も必要です。

メリット

シルク印刷には、以下のようなさまざまなメリットがあります。

  • 特殊な色やメタリックカラーを美しく表現できる
  • 耐久性に優れている
  • 対応可能な素材の種類が豊富
  • 単色やロット数が多い場合にコストが安くなる
  • ベタ塗りのため下地の色の影響を受けにくい

シルク印刷は、特殊な色を活かしたデザインの印刷や、長時間使用される看板や耐久性が求められる印刷物などに適した印刷手法です。

デメリット

シルク印刷を採用する場合、メリットだけではなくデメリットも把握しておきましょう。主なデメリットは以下のとおりです。

  • 細かなディテールの表現に適していない
  • 色数が多い場合やロット数が少ない場合にコストが高くなる
  • オフセット印刷によりも印刷に時間がかかる

シルク印刷は、繊細なデザインの再現に限界があるため、複雑なカラーパターンの再現には向いていません。また、自動化が難しいため、大量生産には不向きな場合もあります。


オフセット印刷の特徴

ここでは、オフセット印刷の工程やメリット・デメリットについて詳しく紹介します。 

印刷の工程

オフセット印刷は、一般的に以下のような工程で行われます。

  1. 印刷したい文字やログなどのデザイン原稿を作成する
  2. デザイン原稿をもとにカラーセパレーションを行い、オフセット印刷用の版(プリント版)を作成する
  3. 印刷に用いるインクの色を調合する
  4. 印刷版からブランケットを経由してインクを紙に転写する
  5. 色の種類ごとに印刷を繰り返す
  6. 焼付窯でインクを乾燥させて製品に定着させる

オフセット印刷の工程では、カラーセパレーションや版の作成、印刷機へのセットアップなどがシルク印刷と異なる特有の工程として含まれています。

メリット

オフセット印刷には、以下のようなさまざまなメリットがあります。

  • 細かなディテールや滑らかなカラーグラデーションを再現できる
  • 大量の印刷物を短時間で効率的に生産できる
  • CMYKカラーモデルを使用して広範なカラーバリエーションを再現できる
  • 高解像度の画像や写真をクリアに印刷できる
  • 高速で乾燥するため、後工程が迅速に進められる
  • 大量生産においてはシルク印刷よりもコスト効率が安い

これらのメリットにより、オフセット印刷は高品質な印刷物を大量に生産する際に非常に効率的です。

具体的には新聞や雑誌、カタログ、パンフレットなどさまざまな印刷物の製造に広く利用されています。

デメリット

オフセット印刷にもいくつかデメリットがあるため、採用する前に確認しておきましょう。

  • シルク印刷と比べて印刷速度が遅いため納期まで時間がかかる
  • 特定の色やメタリックカラーなどの再現が難しい
  • 小ロット印刷の場合にコストが高くなる

小ロットやデザインの変更が頻繁にある場合、他の印刷方法よりもオフセット印刷にかかるコストが高くなる可能性があります。また、特定の色の再現が難しいため、デザイン要件に応じてシルク印刷を選ぶことも検討しましょう。


シルク印刷とオフセット印刷の違い

シルク印刷とオフセット印刷で悩んだ場合は、以下の比較リストを参考にして製品により適した方を選びましょう。

項目

シルク印刷

オフセット印刷

印刷工程

版にスキージでインクを伸ばし入れる

版からブランケットを経由してインクを紙に転写する

仕上がりの特徴

ベタ印刷が得意であり、特色やメタリックカラーを美しく表現可能

細かなディテールや滑らかなカラーグラデーションを再現可能

コスト

小ロットや細かなデザインの場合にコストが割高になる傾向あり

大量生産の場合はコストが安く、小ロット生産の場合はコストが高くなる傾向あり

メリット

特色やメタリックカラーを鮮やかに表現できる

高品質な印刷物が生産でき、幅広い素材に対応可能

デメリット

細かなディテールの表現には向かない

初期コストが高く、小ロットの場合にコストが割高になる

印刷に適した製品

看板や特色を活かしたロゴ、耐久性が求められる印刷物など

新聞、雑誌、カタログ、パンフレットなど大量生産が必要な印刷物


まとめ

この記事では、シルク印刷とオフセット印刷について以下の内容で解説しました。

  • シルク印刷の工程やメリット・デメリット
  • オフセット印刷の工程やメリット・デメリット
  • シルク印刷とオフセット印刷の違い

シルク印刷もオフセット印刷も平版印刷方式ですが、印刷工程や仕上がり、コストに明確な違いがあります。

自社製品に印刷を施す際は、印刷する量や再現したいデザインをもとに、シルク印刷とオフセット印刷の特徴を比較しながら選定しましょう。

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