ウェルダー加工とは?高周波や超音波などの種類や特徴が丸分かり!
ウェルダー加工は、高品質なプラスチック製品の加工を実現する手段として、多種多様な分野の産業で活用されています。
高周波や超音波などを用いた複数の加工方法があるため、自社製品の製造に最適な手段を選びたい場合には予備知識が必要です。
この記事では、ウェルダー加工の種類や特徴、代表的な製品を詳しく紹介します。
目次[非表示]
- 1.ウェルダー加工とは
- 2.ウェルダー加工の種類と特徴
- 2.1. 高周波ウェルダー
- 2.2.超音波ウェルダー
- 2.3.ヒートシール
- 2.4.インパルスウェルダー
- 3.ウェルダー加工でよく利用されるPVCとは
- 4.ウェルダー加工の代表的な製品
- 5.高周波ウェルダー加工の流れ
- 6.まとめ
ウェルダー加工とは
ウェルダー加工とは、熱可塑性のプラスチック素材を圧力や電磁波で溶かし、加圧と冷却で一体化させる溶着・溶断加工技術のことです。
加工の対象となる素材には、塩化ビニール(塩ビ)をはじめ、ナイロン・ポリプロピレン、ポリオレフィン・ポリエチレンなどのフィルムやシートが挙げられます。
ウェルダー加工は主に文具・雑貨類や医療用バッグ類、テント、ビニールカーテン・カバー、袋物などを製作する際に用いられる溶着・溶断加工方法です。
ウェルダー加工の種類と特徴
ウェルダー加工には、4種類の機器を用いた異なる加工方法があります。高周波ウェルダー、超音波ウェルダー、ヒートシール、インパルスウェルダーです。ここでは、加工方法によって異なる工程や仕上がりの特徴などを紹介します。
高周波ウェルダー
ウェルダー加工で素材を加熱する際は、内部加熱か外部加熱が選ばれます。
一般的なウェルダー加工では外部加熱が用いられていますが、高周波ウェルダーでは素材の内部から加熱する内部加熱で製品を加工することが可能です。
具体的には、誘電体に対して高周波発振を短時間かけ、素材の分子を激しく振動させることで生まれる分子運動で熱を起こします。
熱源は素材自体であり、電子レンジのような加熱方式となっています。
高周波ウェルダー加工は外部の熱源を使用しないため、短時間で安定した品質の溶着加工が可能です。また、他の箇所への熱の影響も最小限に抑えられます。
火力を使わないことから、環境面や安全面にも配慮された加工技術として重宝されています。
超音波ウェルダー
超音波ウェルダーは、異なる素材に超音波振動を与えることで熱を発生させ、溶着を行います。
素材同士の界面で瞬時に摩擦熱が発生し、素材が溶け合って一体化します。この熱溶着によって、高速で効率的に素材を接合することが可能です。
主に、プラスチック製品や不織布製品、テキスタイル製品、医療機器などの溶着に超音波ウェルダーが用いられており、幅広い分野の産業で利用されています。
超音波ウェルダーのメリットは、溶着界面のみに溶着できるため、製品の外観を傷つけることなく、美しい仕上がりにできることです。
また、データ管理ができることから温度制御が容易であり、同一品質の生産の安定化を図れます。
ヒートシール
ヒートシールは、熱可塑性樹脂製フィルムの最内層(シール層)を外部加熱で溶融させ、圧力をかけて接着させる加工方法です。
ヒートシール加工機で素材の一部を高温に加熱し、素材同士を密着させるために圧力をかけます。
加熱した素材同士を接触させることで溶着部分が密着・一体化し、その後、加熱部の冷却によってしっかりと密封されたシールが完成します。
ヒートシールは、異なる素材間でも密着できる加工方法です。接着剤を使わないことからクリーンな加工が実現します。
包装業界や製造業界で広く使用されており、袋の密封やパッケージのシール、医薬品の包装などさまざまな用途で利用可能です。
インパルスウェルダー
インパルスウェルダー加工では、外部からヒーターチップに低電圧・大電流を流すことで加熱し、熱可塑性プラスチックを熱溶着します。
インパルスウェルダーの先端にある抵抗体に電流が流れることで、ジュール熱が発生し、先端の温度が300℃以上になります。
先端チップの内部には冷却用のエアを噴出するパイプが内蔵されており、高温になった箇所をエアで素早く冷却します。
これにより、先端チップと素材の接触部をしっかりと溶着することが可能です。瞬間加熱と瞬間冷却方式、さらには印加時間の調整によって美観に優れた仕上がりになります。
ウェルダー加工でよく利用されるPVCとは
PVC(ポリ塩化ビニル)とは、ウェルダー加工において非常にポピュラーなプラスチック素材です。PVCの表面を加熱し、一体化させることで強固な接合を実現します。
PVCには、柔軟性と剛性を調整できる特性があり、可塑剤を加えて柔らかくしたり、剛性を高めたりすることが可能です。さまざまな添加剤を加えることで、非転写性、耐候性、静電気防止、耐寒性、UVカットなどの多様な機能を持たせることが可能です。
その利便性と優れた特性から、建設や建築の資材、包装、医療機器などのさまざまな分野で重要なプラスチック素材として利用され続けています。
ウェルダー加工の代表的な製品
ウェルダー加工は、以下のような製品の製造や加工に幅広く利用されています。
ファイル
ポーチ
天チャックケース
ホック付きケース
チャック付きケース
マグネットケース
カードケース
ブックカバー
名刺入れ
バインダー
ワッペン
腕章
テント
間仕切りカーテン
携帯ストラップ
携帯灰皿
医療用バッグ
-
ビニールバッグ など
ウェルダー加工は、文具・雑貨類の製作だけでなく、産業資材の加工や医療用機器の加工においても必要とされている加工技術です。
高周波ウェルダー加工の流れ
ウェルダー加工の中でも代表的な高周波ウェルダー加工の工程を紹介します。
- 【利用者】ウェルダー加工業者の選定
- 【利用者・業者】製品・加工仕様の決定
- 【利用者】印刷・箔押データの提出
- 【業者】素材・金型・パーツなどお手配
- 【業者】印刷と箔押し
- 【業者】高周波ウェルダー加工(金型を使った溶着・溶断)
- 【業者】仕上がった製品の検品・梱包・出荷
- 【利用者】製品の受け取り
業者によって、高周波ウェルダー加工やその他の加工により対応できる製品や料金が異なるため、複数社を比較して最適な1社を見つけましょう。
まとめ
この記事では、ウェルダー加工について以下の内容で解説しました。
- ウェルダー加工の種類と特徴
- ウェルダー加工の代表的な製品
- 高周波ウェルダー加工の流れ
ウェルダー加工は、熱可塑性プラスチックなどに加熱や圧力を加えて一体化させる技術であり、強度の高い耐久性のある接合を実現します。
高周波ウェルダーや超音波ウェルダー、ヒートシール、インパルスウェルダーなど、利用する機械・設備によって加工方法や仕上がりが異なります。
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